2008年11月13日木曜日

理論と実戦。管理がザル

理論と実戦は違うというものの、
日本で教わった理論と反することがタイ工場で行われていた。

「●●が不良の原因とは考えてないから」
が、その理由だったが、
日本で禁止されている事がタイでは堂々と行われている。

伝票なしで物が動くこともあったり、
これでは管理できないのも当然だと思った。


しかし、駐在員には同情する面も多々ある。
いくらタイ人を育てても、すぐに辞めてしまうのだ。

せっかく日本に研修に行かせても、
エリートだからと好待遇してやっても、
辞めるときは義理人情など関係なく辞める。

だからといって、
彼らを繋ぎとめておくだけの裁量や権限は駐在員にもない。

(しかも、辞める時は重要な書類を持ち出したりするので
 そういう意味でも、よく考えて管理する事が大事だ)


タイ人従業員の平均勤続年数は2年だった。
10年選手もたくさんいるので、
数ヶ月で辞めるワーカーも多いワケだ。

経験を要する職人芸的作業を
完璧な流れでこなしていくには、
無理があるようにも思えた。

そうは言っても、それでは生産ができない。
やはり、場当たり的対応ではなく、
運営を構築するための体制造りが必要だが、
そういう考えは会社にはないようだった。

或いは、毎日発生する問題の対応で
送り込まれた数少ない人員では
それどころではない、という事だったとも言える。



日本で研修中、
仲良くなった人たちと話していて、
よく聞くセリフに

「タイ工場では、問題の起こらない日はない」

だった。

信じられないことだったが、
実際に現地に来て見て、本当だとわかった。
とにかくいろんな事件が起きるのだ。


よくあるのが、
機械加工で不良品を大量発生させてしまう事だった。

機械のセッティングを間違えたまま加工すると、
作ったものは全品、不良品になる。

これが多発しており、頭の痛い問題だった。
数百個も作ってからNGであることが発覚する。

まず1~2個作って検査する、
50個に1個の割合で検査する、
などという事が教えこまれていないようである。

また、在庫が切れることも頻発。
工具類がなくなる事も頻発。

管理がなっていない。


また、これは2008年に発覚したことだが、
OEMの会社では起きてはならない事もあった。

まだ発売されていない新製品が、
日本やアメリカでなく、タイで販売されていた。

古参従業員が盗んで売りさばいていたのだが、
5年以上にわたって盗難(横流し)されていたのだ。


こんな管理すらできてないようでは
「20年近くの間、何をしていたの?」
と問われても返す言葉はないんじゃないだろうか?


警察に通報し、犯人は捕まったが、
対策としては「日本人を含めた全員のボディチェックをやる」
という事になった。

おそらく、この対策もいつかザルになるだろう。
そういう会社だからだ。