SPORTDAYという運動会がある。
年1回の、会社をあげての大運動会だ。
近所の大学のグラウンドを借りて行う1日間の行事だが、
こんな事をやる必要があるのだろうか?
タイの法律で決まっているのかもしれないが、
学校じゃあるまいし・・・
さて、スポーツデイには、日本人の多くはゴルフへ行く。
ゴルフしない人、ゴルフ代が惜しい人は
タイ人の運動会に参加したり観客になったりする。
実はこの運動会のために、
毎夜、定時後に練習するワーカーが多い。
スポーツデイが近付くと、昼間の勤務中にも拘らず、
グラウンドで練習してたりもするから信じられない。
(チアガールの練習が一番目につく)
さらに驚いた事に、この練習時間には
会社から残業代が払われているのだった。
また、スポーツデイの飾りつけ製作のためと称して、
仕事をサボって書庫などで冷房ガンガンに効かせて
いろんな名目で雑談しながらサボっている女が多い。
この練習や飾りつけ作成でワーカーが抜けるため、
業務にも支障があったのだが、タイ人幹部は何も言わない。
我々のような下っ端が何を言っても、
ワーカーはこの件に関しては従わないし、
怒って無視し始めるほどである。
タイ人幹部にとって、
会社の業績などはどうでもいい事のようだった。
後に、日本から俺のヘルプに来てくれたSさんも
「なんで工場長PKは、こんな事をさせてるんだ?」
「なんで工場長PKは、問題を解決しようとしないんだ?」
と憤慨していたが、
その頃には既に俺は分かっていた。
その理由は・・・
工場で日本語を話せるタイ人はPKだけだった。
他に通訳を補充したが、
まだまだ能力が低くあまり役に立たない。
つまりPKにとって、
社内で問題が多いほど、
己の存在価値が高まるのだ。
問題がなくなれば、会社にとっては
ワーカーたちに強い影響力を持つ年寄りの通訳など要らない。
社内に問題がなくなれば、会社の意向に忠実に、
淡々と通訳だけしてくれる人さえ居ればいいのだ。
劉邦が中国統一を成し遂げたあと、
次々に忠臣が殺された。
有能な部下は必要ないからだ。
三国志でも、魏の司馬仲達は
用済みになって殺されないために
わざと蜀(諸葛孔明)に負けたり、
大チャンスでも攻めなかったりした。
もしも、仲達が孔明(蜀)を滅ぼしたら、
司馬仲達の能力は必要ないどころか
魏にとって危険人物になるからだ。
同じように、工場長代理PKにとっても、
己の権力強化のため、ワザと問題解決をしなかった
と俺は見ていた。
また、怒鳴るだけで、
こういった管理をしてこなかった日本人幹部も
無能と呼ばれてもしかたないだろう。
残業代を払って練習させるのをやめろ、
と日本から指示が出たが、
それを工場長代理PKは拒否した。
「払わなければならない」とPKは主張し、
ワーカーの遊びに金を払う習慣は続けられた。
