「なんでスケジュール通りにできないんだ?!」
と上司に怒鳴られることが多かったが、
理由を言うと日本本社の悪口になるので
言い返さないのが暗黙の了解事項だった。
スケジュール通りに生産しようにも、
日本から材料、工具類や仕様書が届かない。
特に材料は
予定通りに届くほうが珍しいほどだった。
(もちろん、遅れて届くのだ。遅れる理由を後年に知り、
資材部を責める事はできないと分かるが、
だからと言って毎度遅れた責任をタイに取らせるのも・・・)
これではスケジュール通りに作れ、
という方が無理だ。
サンプルも届かない事がしばしばで、
よく会社として成り立っているもんだと感心する。
また量産についても、
製造においてスペックのバラツキが大きい物を扱っており、
手直し・修正が何度も何度も必要で、
スケジュール通りにいかないのが常だった。
修正の手間暇を考慮せずに
生産スケジュールを組むから、
ドンドン遅れて当たり前である。
だから、マシニングセンターなどの機械に
予定を入れていても、
予定通りに物を送ることができない。
これは生産管理上の大問題で、
日本人駐在員に管理させるのは事実上無理だった。
日本人駐在員は日勤の者しか居ないが、
工場は2交代で動いている。
日本人駐在員がいない夜間の機械のスケジュールは
タイ人にやってもらわねばならない。
必ず、手直し等で遅れるので、
機械を管理している奴らに逐一、状況報告しないと
他のブツにも影響を与えるからだ。
ところが、日本人幹部は
怒るときは日本人だけを怒鳴る。
怒鳴るのが仕事だと思っているようで、
・なぜできないのか、
・どうすればできるのか、
を真剣に解決する気のない人だった。
「なんとかせいや!」
が口癖で、
それで15年間、何とかやってきたので
それでいいと思っているのだろう。
もちろん、”納期を守る”だけが幹部の仕事ではなく、
その他もろもろの業務で忙しいのは分かるが、
15年も「なんとかせいや!」と怒鳴るだけでは
まともな組織はできないはずだね。
タイ工場へ頻繁に出張する有能な中堅の某氏などは
「(日本人幹部Sさんは)タイには要らない」
と発言していて、
この発言は会社の隅々に知れ渡っていたほどだった。
