2008年8月28日木曜日

毒入りの夕食

会社の友人で、俺より10歳年下のT君というのが居た。
コイツがいい奴で、俺はコイツと一番仲が良かった。
このT君しか知らない話で、二人で苦笑した話がある。


その話とは・・・(ちょっと長いけど最後までどうぞ)・・・


以前、人事課長と一悶着あったとき、
ある人からこの課長の噂を聞かされていた。

人事課長は、気に入らない奴が居ると、
そいつの***の***を***させてやろうと、
こっそり***に行き、千枚通しで**を**ようとした現場を
たまたま発見され、未遂に終わった事件があったそうだ。

*かなりヒドイので、全てを書く事はできません。
 この課長は後年、マジメに仕事をやってくれましたから



つまり、陰険な性格だと教えられていたのだ。

普通に話す分には、
穏やかで癒し系の優しそうな人なので、
そんな事をする人間には見えなかったが、
用心するに越したことはない。


さて、俺は寮に住んでいたが、賄い付きだ。
朝食にはいつも、期限切れの食パンと牛乳が用意してある。

朝食用のパンの買出しは、寮母Wさんに任されているのだが、
近所の知り合いの店で期限切れ前日の食パンを安く買い、
銭を浮かせてピンハネしているのだった。

前日買った時はまだ期限が切れていないが、
俺達が食うのは翌日、つまり、期限が切れている。
ひどいときには3日も期限を過ぎていた事もあった。

ま、それはともかく、
夕食は寮母Wさんが作ってくれている。
宅配の食材を調理するだけなのだが、
調理して棚に置いておく迄がWさんの仕事だ。


さて、人事課長と揉め事を起こした後、
俺は嫌な予感がしたので、
俺の名札の位置に置いてある俺のメシを
隣の新卒I君のと取り替えて食っていた。

俺は定時になるとすぐ寮に戻るが、
期待の新人I君はいつも俺より遅く帰宅する。

だから、俺はI君の分を食い、
俺の分として用意されている料理をI君の所に置いておくのだ。
(たまに、反対側の隣の奴の分と取り替えたりもしたけど)


「すり替え」を始めて約1月後、I君が体調不良を訴え、
会社を休んでしばらく実家に戻った。

工場で溶剤系のガスを吸ったのが原因じゃないか、
とI君自身は推測していたが・・・。



さて、先に前フリしておいたT君と俺は、
I君の事を心配していたが、
ある時、俺はメシを取り替えていた事をT君に暴露した。


T君の反応は

「うわぁぁぁ~!I君の病気のホントの原因はそれじゃないですか?
 Iの奴、マジで具合悪そうでしたよ!岡村さん、ヒドイ人ですね~」

と、本気なのか冗談なのか分からない口っぷりで
半笑いで俺を責めた。


そう、俺は
人事課長が俺のメシに毒を盛るんじゃないか、と思い
用心のために他人の飯とすり替えていた。

そのお蔭で(?)俺は病気にならなかったのだ。


俺には若干の霊感が備わっているので、
危険を察知する能力があるのだよ、フフフ・・・。
(もちろん、予知できない事の方が多いけどね~。
 例えば、セミにオシッコをひっかけられるとか・・・)

*もちろん、本気で”毒が盛られた”とは思ってないけどね。

2008年8月21日木曜日

給料はもらってないけど、遊びは欠かさず

ところで、毎月25日が給料日だが、
給料はまだ一度ももらってなかったし、
また、いつ払うのか、の説明もなかった。

ただし、毎月たった6万円の研修手当(?)は
8月の終わり頃から、
タイ人に手当を払った翌日に俺に払ってくれていた。
(なぜわざわざタイ人の翌日に俺に払うのかも理解に苦しむが)

6万円の手当だけでも相当な進歩だが、
うわべだけ体裁を整えただけ、のような気がしていた。



俺は2週間に1回のペースで風呂屋に行っていた。
寮から一番近い風呂屋は車で約1時間かかる。
しかも田舎なので、レベルが低い。

風呂屋は10数軒あったようだが、
俺が許せるレベルは35000円の風呂屋だけだった。
(その風呂屋がその地域では最高級店だった)

2回目以降は3000円の割引券を使えるが、
駐車場・ガソリン代・高速代を払うと、やはり35000円くらいになる。

多い月だと”風呂屋通い”だけで10万円を超える。
さらに週に何度も飲みに出かけ、ほぼ毎週ゴルフにも行く。
毎月の本代も1万円を超える。

1万円そのものは大した額ではないが、
毎度、本の束を抱えて本屋のレジに行く俺を見て、
寮の友人たちは呆れたり、びっくりしたりしていた。

サラリーマンにしては、金遣いは荒い。
しかも給料はもらっていない。

たった月6万の手当を後払いで支給され始めたのも
8月の終わり頃からだ。


俺は株や先物で稼いでいる事は隠していたが、
同じく金遣いが荒くて株で大儲けしている奴が
同じ寮内にいる事を知った。

彼はまだ30歳くらいなのに
既に1億円以上持っている、という話だった。

でも当人はそんな事はオクビにも出さないし、
日頃から謙虚な人なので、
お互いに株の話は一切しなかった。

彼とはバカ話をしているだけで楽しかった。

2008年8月14日木曜日

差別は人の心を歪ませる

そしてその日の午後、タイムカードの件で
人事課長がわざわざ来てくれて、

「岡村さんのタイムカード、遅れてすみません。
 初期注文分は業者に作らせたんですが、追加の分は、
 タイムカード製造機がウチの会社に届いてからになるんです。
 またミスを犯してしまって、すみませんが、
 機械が届くのが約1週間後なんです」

と、ホントの事を話し、素直に謝ってくれた。
俺の分は忘れていた、と認めて謝ったのだ。


こう言ってくれれば、怒るどころか、
そんな事でわざわざ来て説明していただいて申し訳ない
という気持ちになるものだ。


ただ、

「ついてはタイムカードが届くまでの間、
 打ち忘れ簿に書いておいてください」


と、一転、”上から”調になったので、

「そちらのミスなんですから、そっちで処理してください。
 どうせ給料ももらってませんし、書いても書かなくても
 払ってもらえそうにないですから、私は書きませんよ」


とイヤミに答えた。

なぜ、俺のミスでもないのに、
俺がいちいち毎朝毎夕、手書きしないといけないの?



すると、係長は人事部の非を認めて、
人事サイドで処理すると約束してくれた。


それにしても、また・・・


なぜあの時、人事のS女史は
「今、作っている」
なんて嘘ついたんだろう?

「アッ!忘れてました。すぐ作りますね!」
と言ってくれればそれで済むのに?


「忘れていた=自分のミス」
これを認めたくないんだろうな・・・

とは思ったが、以前、人事部の人間が俺を怒らせたことを
S女史は覚えてないようだ。


自分のミスを隠すためには、現地採用の人間に対しては、
高飛車な態度を貫き通せばいいと思っているんだろうか?



さて、10月1日は衣替えでもあった。
半袖の作業服から
長袖の作業服に変わる日だ。

各部署には全員の分が届けられている。
が、例のごとく、俺には長袖が支給されてなかった。

タイ人を含む、他の者全員には支給済だったが、
いつもの事だから、なんとも思わなくなっていた。

ただ、夕方は肌寒くなり始めていたので
定時後に部長にお願いしに行った。


ついでに人事のS女史が嘘ついていた話と
F係長が嘘ついていた事も報告しておいた。

が、俺の思慮が浅いため、
これらの話を周りの社員に聞かれていた。

後日、「岡村はアチコチで問題を起こす人間だ」
との噂が一部で流れたが、その噂の出所は、
この部長の傍に居た某社員である。

俺の友人は皆、俺に同情してくれていたが、
話の一部しか聞いていない人は
俺が頻繁に怒鳴り散らす野蛮人だと思ったようだ。
(確かに俺は、そういうところのある人間ではあったが)


その後、寮に戻る道中に人事部があり、
その前を通ると”嘘つきS女史”がデスクで仕事をしていた。

S女史は俺に気付き、通路に出てきた。

彼女の態度は一転して丁重だったが、
過去に人事部から受けた屈辱が心の中に残っていたので
人事部の彼女に対して俺は言いたい事を言った。


もうウンザリしていた。
また、不手際に対応してくれるH部長にも悪い。
よ~く分からせておくべきだと思ったのだ。

相当、S女史をきつく責めた。

今思えば、あんなに責める事もなかったようにも思う。
しかし、差別された事のない人は、差別される気持ちが分からないのだ。
俺は差別された事もないし、誰かを差別した事もなかった。

差別とは、人の心を歪ませるものだと感じた。


S女史は人事部の中で話したい、と、
言うので入ると、課長も責任を感じていたのか、
S女史の横に座って対応してくれた。

細かい内容は覚えてないけど、
今後は忘れないようにします、という一言があったと記憶している。

2008年8月7日木曜日

嘘つき

翌日、10月1日から次工程の研修になっている。

タイムカードが作られてなかった事を
始業前にH部長に報告し、手配をお願いした。
(さもなくばウヤムヤにされかねない会社である)



その後、現場に向かうとF係長がやってきて、

「次工程では、研修準備ができてない、って言ってるんで、
 とりあえず今日もウチの部署で作業してください」

と、すぐに分かる嘘をついた。



というのも数日前に、次工程以降の責任者I係長と会い、

「もういつ来ていただいてもOKですよ!
 研修の準備はバッチリできてますから」

と言われていたからだ。


どうせF係長は、くだらない検査の要員として、
俺をタダでコキ使うつもりなのだろう。



「じゃ、H部長に確認します」

と答えると、


「え・・・何か、ウチの部署に居ると
 マズイ事でもあるんですか・・・?」

とF係長は言う。


Fは明らかに狼狽している。
嘘がバレるとまずいから、という事だ。



「いえ。10月1日から次の部署、と決まっていた事ですから」 

と言って、俺は大朝礼の場所へ向かった。



その時、Fは少し怒っていたようだったが、俺は

(すぐバレる嘘をつくお前が悪いんだよ)

と思った。



毎月1日は大朝礼といって、全社員が集まる朝礼の日。

会場へ行き、H部長と話していると、
H部長の携帯に電話がかかってきた。

すぐに、ピンときた。
F係長が何とか丸めこもうとしているのだ。


H部長は

「ウン、ウン・・・でも、それはダメだ!」

と一蹴した。
横で聞いていた俺と、寮で仲良くしていたM君とは
話の内容は聞かなくてもわかるので、腹を抱えて笑った。


「H部長、今の、F係長でしょ?」

と尋ねると、やはりそうだった。



大朝礼も終わり、各部署へ戻るとき、
会場出口にF係長と、I係長が立っていて

「あ~、岡村さん!こちらがI係長です。
 岡村さんの研修準備、なんとか間に合ったようですから」

とシャーシャーとF係長は更に嘘の上塗りをする。



これでF係長がどんな人間か、よ~く分かった。
毛嫌いしている他部署の意見の方が正しい。


それにしても・・・

もっと大きな会社で働いたこともあるけど、
こんなデタラメな組織は初めてだった。

以上は、全て”ささいな”事ばかりですが、
どこの会社でも同じなんでしょうか?


*ここ数回、グチっぽくて情けない気もしますが、
これらは会社に絶望していく伏線なので敢えて書いています。

また、この会社のタイ現地採用で働こうと思っている人にも
考え直す機会を与えている、という意味もあります。