2009年5月7日木曜日

駐在員 VS 現地採用

日系企業では、
駐在員に比べて現地採用が
待遇面で劣るのはハッキリしている。

しかも、現地採用でも日本の基準が適用されがちで、
給与の伸びにも限度がある。

だが、タイ系企業の現地採用なら、
いい経営者・オーナーの下で働き、実力を発揮すれば
駐在員以上の好待遇を受ける可能性は大いにある。

年俸は青天井に上がる可能性だってあるのだ。

言い換えれば、
小さくまとまるために、
日系企業で先の見えている安月給で安定を取るか、
大きく伸びるために、イバラの道を歩むか、である。

「安定した安月給を取ってサラリーマンになるか、
 独立を目指して小企業で働くか」

のような違いで、どちらがいいとは言えないが、
男なら夢を取るべきではないのか、と俺は言いたい。

タイで働こうと思っている人なら、
守るべき物など持っていないだろうからね(*`艸´)ウシシシ

だから、
夢を取るのがいいんじゃないかな、と思う。


ま、俺は偉そうに言える立場ではないけどね。
結局、辞めて沈没生活に戻ったんだからね~・・・

もちろん、いい経営者に巡りあわなければ、
安月給でコキ使われて終わりにもなりかねない。
その場合は”見切り千両”、転職すればいいだけの事だ。

2009年3月12日木曜日

タイ工場の事はタイで解決しろ?

「困ったことがあったら何でも連絡してください。
 全面的にバックアップしますから」

と課長に言われて送り込まれた出張者が、
どうにもならなくて日本に居る課長に相談すると

「タイの事はタイで解決してください」

と突き放された事があった。


この出張者は、当初、タイ出張を断っていた。

また、
”出張”だと数日~数週間のように思えるが、
彼は最低3ヶ月の出張を言い渡された。

子供がまだ小さいので、
3ヶ月の出張は断ったのだった。

「ホントは1週間でも嫌だ。ウチの会社は、
 何かとタイのせいにする体質だったからです」

と彼は言っていた。


しかし、全員がタイ駐在・出張を拒否するので
部長が説得してようやく彼が同意したのだが、
その説得文句の一つが上記の

「困ったことがあったら何でも連絡してください。
 全面的にバックアップしますから」

だったのだ。

つづく

2009年2月26日木曜日

日本でやっていない事を タイではヤラせる

おそらくどこの会社でも同じなんだろうが、
日本でも面倒くさくてやってない事を
タイではヤラせようとする。


日本人ならできるが、タイ人にはできない。

なぜなら、日本は熟練工ばかりだから。
熟練工ばかりの日本なら、
教えなくてもデキるし、言わなくてもヤル。

しかし、タイでは一から教えなければならない。
だからこそ、
日本でやらない事をタイではヤラなきゃダメなんだろうが、
それを一から構築するのは結構、苦労する。


会社なんてのは、
「コレ、やっておけ!」
と抽象的に指示するだけである。

具体的には、担当者はあらゆる事柄を
自分で考えて構築しなければならない。
新しいモノを作り上げるのは、なかなか大変なのだ。

(海外に工場を作り、稼働させるだけでも大変だから
 俺はタイ法人の支配者Sさんを尊敬していたのだが)



日本で出来ない事をタイでヤラせる他の事例としては、
支配者Sがこんな事も言った、

「ワーカーには、8時間、機械を踏みっぱなしにさせろ!」


こんな事、無理に決まっている。

もし本当にやらせれば、
タイ人ワーカーはすぐに辞めてしまう。

担当ワーカーが辞めたからといって、
後釜を新人に任せるのは危険だ。

新人には、つきっきりで指導しないと心配で
他の事をやってても気が気でない。

新人だろうがベテランだろうが、
部下がミスやらかした場合、
怒られるのは俺なのだ。

日本では、工員たちは機械の操作の合間に
自分で日報をつけたり、材料を取りに行ったりで、
その間に息抜きできたり、目先が変わって疲れが取れる。

日本人には息抜きの時間を与えるけど、
タイ人は8時間、同じ姿勢で機械操作させろ
というのは無理である。

タイではワーカーが辞めないよう、
疲労を軽減できるような工夫が必要だった。
(それでなくても辞めていくんだからね~)

ワーカーは使い捨て、という考え方だと、
熟練工を要する作業をやる会社ではかなり苦労するはず。

もちろん、書くまでもない事だが、
上がアホだと苦労する、という事を言いたいのです。


他にも、日本では機械の点検など年1回しかやらない。
タイでは、毎日やれ、という。

タイをバカにしているとしか思えない。

しかし、指示を無視して点検しないでおくと、
それが原因で不具合が発生した際に

「やっぱりタイは・・・」

と言われるのが目に見えていたから、やらざるを得ない。

もちろん、ヤラないよりはヤル方がいいので、
点検作業を導入したが・・・


そうでなくても、新部門立ち上げは大変なのだ。

くだらない事を次々に俺一人に押し付け、かつ、
俺の足を引っ張るのではなく、
K課長には協力してほしかった。

2009年2月19日木曜日

自らルールを破る課長K

2004年6月の話

日本から常務がやって来て、ミーティング。

この人は、ミーティングでもいい事を言う。
全社で15億円の赤字を出したが、
俺が配属された部門が赤字の80%を占めていると言っていた。

その部門責任者はK課長で、赤字はKのせいだ。
が、常務にはそれが分かってなかった。

そして常務は、
「コスト高の原因であるムダなQCを減らせ」
と指摘した。

俺は賛成だった。

QCとはquality controlの略だが、
アホなK課長はquality checkの略だと思っていて、
「QCが大事」を「検品が大事」と勘違いして
やたらと検品工程を増やしていたのだ。


このKのバカ話を思い出した。
Kの思考回路がよく分かる話だ。

Kはエクセルが分からないので、
いつも情報室のO君にエクセルで計算表の資料を作ってもらっていた。

O君も忙しい身なのでウンザリして、
「今後は自分で作ってください」
と突き放し、仕方なくKは自分で作り始めた。

完成して、Kは自分で仮の数値を入力したが、
思った枠に、数字が現れない。

B1に単価、C1に数量を入力すれば、
D1に金額が表示されるようにしたかったのだが、
D1はブランクのまま。

Kはパソコンが壊れたと思い、
また情報室のO君を呼び、

「おかしいんだ!ココ(D1)に数が出てこねえんだよ!
 ちょっとおかしいから見てくれよ」

とKが言うので、
O君がD1にカーソルを持っていくと、
関数が入ってなかったのだ。

関数が入ってなければ、数値が表示されるワケがない。

Kはバカだから、
そんな仕組みも知らずにせっせと文字だけを入力して
計算表が完成したと思っていたのだ。

これはKの思考回路と一致している。

つまり、自分が決めた項目を、
ホワイトボードに書いたり、口にするだけで
世界は思う通りに動くと思っているのだ。

それがうまく動かないと
「おかしい!壊れてんじゃねえか?」
と他人のせいにする。



このバカK課長は

「経費削減のために、休憩時間はエアコンを切る事」

と決定。また、

「業務時間中も設定温度は20度以上にする事。」


通常、
日本人用の部屋は設定温度を14度にしていたのだが
節電のために20度にするように、との考えだ。


「会議中は禁煙。」


しかし、このK課長はいつも率先してルールを破っていた。

電気点けっぱなし、エアコンつけっ放し(しかも14度)。
会議中もKが率先してタバコに火を点ける。

こんな奴をタイ工場責任者にしたのが悲劇だった。


*金輪際、他人の悪口は書かないでおこうと思っていたが、
このK課長には最初から足を引っ張られたので、
今回だけは書かせていただきます。

2009年2月5日木曜日

「技術は盗め」という日本人はタイには要らない

タイ人はすぐに辞めていく。
だから、日本人的な発想では工場は動かない。

タイに来てまで「技術は盗んで覚えろ」というのは、
教えるのが面倒だから言っているだけの事だ。

旋盤の使い方を「見て覚えろ」、「技は盗め」、
なんて言ってたら、会社は大赤字になるはずだ。

毎日、旋盤を壊すことになってしまう。

高性能な旋盤なら、1台1000万円近いのだ。
壊すと軸がズレたりして、精密加工はできなくなる。

キチンとマニュアルを作り、教え込み、
”ポカよけ”という思考方法を教えこまねば
その会社は潰れてしまうだろう。

日本人とタイ人は違うのだ。

教えないなら、賃金が高い日本人が駐在する必要などない。
教えるだけの技術やノウハウがないなら、
その人はタイでは要らない人間だ。

日本でしっかり技術を身に付け、
それからタイで職を探すくらいでなきゃ、
その人はすぐにタイの会社に居られなくなる。

2009年1月29日木曜日

タイ人ワーカーをバカにしすぎ

受注が減り、
タイ法人の赤字拡大が確実となったため
コストダウンが至上命題となった時期があった。

仕事がなくてワーカーがブラブラしている。

一時的なレイオフ・自宅待機も止むを得ない。
自宅待機させれば給料4割カットできる。

それほど危機的状況だったので一応の理解はできるが、
しかし、
日本人責任者の言い方が俺は気に入らなかった。


「給料4割カットでも、タイ人はやっていける。
 田舎に帰れば1食10バーツだから問題ない」

「アルバイトすれば生活できる」


ダメ社員を自ら辞めていくように仕向ける作戦として
”敵を欺くにはまず味方を欺け”的な作戦として言っていたなら
まだしも納得できるが、そこまで考えて発言する男ではない。


一時的に田舎に帰っても
バンコクのアパート代は払っておかねばならない。

子供と一緒に住んでいるワーカーなら、
子供の学校はどうするのか?

妻、あるいは夫が別の会社で働いている場合、
ウチの会社のワーカーだけが田舎に帰るのか?

タイ人ワーカーを何だと思っているのか?
動物とでも思っているのだろうか?

この発言をした奴に対して、
後年、俺は徹底的に反抗した。

俺の足を引っ張るだけでなく、
人間的にもクズだからだ。

結局、いろいろあってその男は降格、
日本へお帰りとなったが、
コイツを見ていて思ったのは、

「ウチの会社では声がデカイ奴が勝つ」

だった。

2009年1月15日木曜日

コツコツ努力する事が生き残りに必要

機械はよく壊れる。

だから、いろんな機械に精通していて、
すぐに調整や修理ができる人は重宝される。

逆に、どんなに理論を理解していても、
機械が壊れたらお手上げ、という人は
理論だけで生きていくだけのモノを持っていなければならない。


また、生産計画は、機械のキャパ100%で組むのは危険だ。

多くの機械を使う工場で働く人は
その辺りを考えて自分を成長させていかねばならない。

(知識を磨くのか、口が達者になるよう努力するのか、
 自分の業務にもよるので、「成長」という言葉を使った)



かといって、機械などを使わない事務系の仕事は
体を使わない分、頭と口で勝負しなければならない。


タイで働くには、タイ語は必須だ。
タイ語がダメでも、せめて基本的な英語力がないと
タイでは不要な人材となり、おはらい箱になる。


タイで働いている外人は多いが、
プライベートな時間を遊びだけに使う人は
すぐに行き詰る。

逆に、あまり賢くなくても、
コツコツとタイ語や仕事に関する知識を蓄積していく人は
次第に伸びて頭角を発揮することになる。


よく言われることだが、
タイに1年駐在するだけで、
最新の技術から相当に遅れてしまう。

タイがダメなのではなく、
タイは量産工場であるから、
日々の業務に追われて最新のテクノロジーを学ぶヒマがない、
というのが本当のところだろう。

遊ぶ事しか考えない人は、ダメになる。
これを肝に銘じておくべきだ。

今後、凄まじい勢いで
世界の勢力地図が塗り替えられていくはず。

遊んでばかりの人は
すぐに負け組になるのが目に見えている。

タイで沈没中の人も、
たまには将来について考え、自己啓発に努め、
自分を成長させていくことを考えるといい。