2009年2月19日木曜日

自らルールを破る課長K

2004年6月の話

日本から常務がやって来て、ミーティング。

この人は、ミーティングでもいい事を言う。
全社で15億円の赤字を出したが、
俺が配属された部門が赤字の80%を占めていると言っていた。

その部門責任者はK課長で、赤字はKのせいだ。
が、常務にはそれが分かってなかった。

そして常務は、
「コスト高の原因であるムダなQCを減らせ」
と指摘した。

俺は賛成だった。

QCとはquality controlの略だが、
アホなK課長はquality checkの略だと思っていて、
「QCが大事」を「検品が大事」と勘違いして
やたらと検品工程を増やしていたのだ。


このKのバカ話を思い出した。
Kの思考回路がよく分かる話だ。

Kはエクセルが分からないので、
いつも情報室のO君にエクセルで計算表の資料を作ってもらっていた。

O君も忙しい身なのでウンザリして、
「今後は自分で作ってください」
と突き放し、仕方なくKは自分で作り始めた。

完成して、Kは自分で仮の数値を入力したが、
思った枠に、数字が現れない。

B1に単価、C1に数量を入力すれば、
D1に金額が表示されるようにしたかったのだが、
D1はブランクのまま。

Kはパソコンが壊れたと思い、
また情報室のO君を呼び、

「おかしいんだ!ココ(D1)に数が出てこねえんだよ!
 ちょっとおかしいから見てくれよ」

とKが言うので、
O君がD1にカーソルを持っていくと、
関数が入ってなかったのだ。

関数が入ってなければ、数値が表示されるワケがない。

Kはバカだから、
そんな仕組みも知らずにせっせと文字だけを入力して
計算表が完成したと思っていたのだ。

これはKの思考回路と一致している。

つまり、自分が決めた項目を、
ホワイトボードに書いたり、口にするだけで
世界は思う通りに動くと思っているのだ。

それがうまく動かないと
「おかしい!壊れてんじゃねえか?」
と他人のせいにする。



このバカK課長は

「経費削減のために、休憩時間はエアコンを切る事」

と決定。また、

「業務時間中も設定温度は20度以上にする事。」


通常、
日本人用の部屋は設定温度を14度にしていたのだが
節電のために20度にするように、との考えだ。


「会議中は禁煙。」


しかし、このK課長はいつも率先してルールを破っていた。

電気点けっぱなし、エアコンつけっ放し(しかも14度)。
会議中もKが率先してタバコに火を点ける。

こんな奴をタイ工場責任者にしたのが悲劇だった。


*金輪際、他人の悪口は書かないでおこうと思っていたが、
このK課長には最初から足を引っ張られたので、
今回だけは書かせていただきます。