「微笑みの国タイでの就職日記」の
タオさんのコラート時代は、
英語でリーダーたちとやりとりすることが多かったそうだ。
だが、俺の会社には、オフィスにいる”自称エリート”でも
英語を話せるタイ人なんて、一人も居なかった。
タイ語会話は、タイに滞在し、タイで働いてれば
ある程度まで上達する(それなりの努力も必要だが)。
しかし、読み書きが出来るという能力は、
読者が思っている以上に役に立つ。
タイ人は、リーダーやスーパーバイザーという役職でも、
簡単に会社を休む。
そういう場合でも、我々日本人は管理職であるから、
リーダーが休んでいようが、通訳が居なかろうが、
必要であれば、日本人と話した経験がないような
一般ワーカーに直接指示しなければならない。
が、一般人にはなかなか日本人のタイ語は通じないし、
通じても、忘れられたり、後になって
「あの人の話すタイ語、分からなかった」
と、”やらなかった・できなかった”言い訳をされる。
ところが、文字を書いて指示すれば、
「分からない」なんて言い訳ができなくなるのだ。
タイ人には、タイ語を書けない奴も多いが、
タイ語を読めない奴はほとんど居ない。
的確に指示することが可能になり、
ISO漬けの会社でなくてもメリットは大だ。
それ以外でも、タイ語が読めれば
旅行の際などに抜群の威力を発揮する。
ソンテウ移動しか手段がない地方に旅行する際も
文字を読めれば、誰かに尋ねることなく、
正しいソンテウに乗れる。
(嘘つかれて違うソンテウに乗るリスクがない)
田舎から田舎への移動は、
ロットトゥワなどがない場合も多く、
ソンテウ移動がメインの場合が多いのだ。
また、バンコク市内でバスに乗る際も、
途中までしか行かないバスや、
すぐに高速道路に乗って途中をハショるバスは多い。
こういうバスは、必ずフロントガラスに
タイ語で書いた赤い札を表示している。
タイで”外こもり(沈没)”するだけの人なら
飽きたら日本に帰ればいい。
だが、
タイで働きたい人、既に働いている人は、
遊びの合間にでもタイ文字を勉強するべきだ。
それが嫌なら、
そもそもタイになど行かない方がいい。
そういう人は、”タイで働きたい”ではなく、
「タイに住んで遊びたい。
そのために仕方なくタイで働く」
という、本末転倒な発想だろうから、
せいぜい数年しか保たないだろう。
そして、挫折して日本に帰ることになった時に
「無駄な数年間を過ごした」
と気付くだろうが、覆水盆に帰らずである。
無駄な時間だったのではなく、
努力しなかっただけ、
という事にすら、気付かないかもしれない。